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土地活用

節税について

その1 相続税

その2 賃貸マンション建設による固定資産税・都市計画税

その3 賃貸マンション建設による所得税・住民税

その4 賃貸マンション建設の場合の小規模宅地の優遇措置


その1 相続税

<例をあげて相続税の節税効果について説明します>

前提条件

○相続人は更地(路線価=2億円)を所有している
  (ほかに現金・生命保険等遺産はないものとする)

○相続人は、子供二人とし、1/2ずつ相続する。(法定相続)


たとえば…更地のまま相続

○上記の土地を更地のまま相続すると
遺産総額:2億円
基礎控除:7000万円(5000万円+1000万円×2名)
課税価格:1億3000万円
相続人一人当たりの課税価格は6500万円になります。

○下表の「相続税の速算表」により、
6500万円×30%-700万円 = 1250万円
1250万円×2人 = 2500万円

上記により、更地のまま相続した場合の相続税の総額は、2500万円になります。

<相続税の速算表>

各相続人ごとの法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -万円
1,000万円超 ~ 3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超 ~ 5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超 ~  1億円以下 30% 700万円
1億円超  ~  3億円以下 40% 1,700万円
3億円超  ~ 50% 4,700万円
相続税の速算表

たとえば賃貸マンションを建設後に相続した場合

更地に賃貸マンションを建てると、「相続時における評価額」が土地および新築した建物の双方において、引き下げられます。「相続財産の評価額が下がることで、相続税も下がる」というのが相続税における節税効果です。
「相続時における評価額」が下がる理由は2つあります。

第1には、更地に賃貸マンションを建設すると、その賃貸マンションに居住する賃借人(借家人)の権利が、土地および建物の双方に発生するため、相続税の評価上、土地および建物からこれらの権利を控除することが認められているからです。

第2には、建物の相続税の評価額は、固定資産税評価額をもとにします。この固定資産評価額は、一般に建築費の60%~70%程度(RC造)になります。
現金を相続する場合は、そのままの金額が、相続税の評価額になりますが、賃貸用の不動産は、上記のような理由で、時価よりも低く評価されるのです。決して評価が下がったのではありません。


例えば、更地に賃貸マンション(建築費=1億5000万円)を立てて相続すると…

前提条件

○建築費:1億5000万円
○借入金:1億5000万円
○借地権割合:70%
○借家権割合:30%
○建物の固定資産税評価額:建築費の65%

A:土地の評価(賃貸マンションの敷地となった場合)

=更地価額×(1-借地権割合×借家権割合)

=2億円×(1-0.7×0.3)=1億5800万円

⇒土地の評価額は、1億5800万円となり、4200万円(21%)の評価額が引き下げとなりました。

(※上記に加えて、敷地の利用方法に応じて、一定の面積を対象に、土地の評価額のさらなる減額があります。)

B:建物の評価(賃貸マンションを建築した場合)

=建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合)

=(建築費の65%)×(1-借家権割合)

=1億5000万円×0.65×(1-0.3)

=6825万円

⇒建物の評価額は、6825万円となり、1億5000万円の建築費に対して、8175万円(54.5%)の評価引き下げとなりました。

よって、A土地の評価額(1億5800万円)と、B建物の評価額(6825万円)を合計して遺産総額は、2億2625万円となります。


以上をまとめると、賃貸マンションを建設後に相続した場合は、
  遺産総額: 2億2625万円
  債務控除: -1億5000万円(借入金)
  基礎控除: -7000万円(5000万円+1000万円×2人)
  課税価額: 625万円
  相続人一人当たり課税価額は、312万5千円になります。

更地のまま相続した場合の課税価額1億3000万円くらべて、1億2375万円も
相続財産の評価額が下がったということです。(決して価格が下がったのではありません。)

上表の相続税の速算表により、
  312万5000円×0.1=31万2500円
  31万2500円×2人=62万5000円
賃貸マンションを建設後に相続した場合の相続税の総額は、62万5000円になります。

よって、更地のまま相続した場合の相続税の総額2500万円と比較すると2437万5000円の節税効果があります。

その2 賃貸マンション建設による固定資産税・都市計画税

<例をあげて、固定資産税・都市計画税の軽減措置について説明します>

前提条件

○固定資産税評価額2億円の土地1000平方メートルに、戸数20戸の賃貸マンションを建設した場合


1.土地の固定資産税・都市計画税の減額

賃貸マンションを建てると、200平方メートル×戸数の面積までは、
  「土地の固定資産税は1/6」に「土地の都市計画税は1/3」に軽減されます。

 <たとえば何もしない場合(更地)の固定資産税・都市計画税>
   固定資産税=2億円×1.4%=280万円
   都市計画税=2億円×0.3%=60万円
   合計 340万円

 <たとえば賃貸マンション建設後の固定資産税・都市計画税>
   200平方メートル×20戸=4000平方メートル>1000平方メートル
   ⇒土地全体に固定資産税1/6、都市計画税1/3の軽減率が適用される

   固定資産税=2億円×1.4%×1/6=47万円(100円未満切り捨て)
   都市計画税=2億円×0.3%×1/3=20万円
   合計 約67万円(何もしない場合の約1/5となります)


2.建物の固定資産税の減額(※)

賃貸マンションを建てると、新築の翌年から3年間(3階以上の耐火・準耐火建物は5年間)、1戸当たり、床面積120平方メートルまでの部分については、「建物の固定資産税が2分の1」」に軽減されます。
(ただし、「居住部分の床面積が40平方メートル(戸建ての場合は50平方メートル)以上280平方メートル以下であること」「併用住宅の場合、居住部分の割合が2分の1以上であること」が必要となります)

その3 賃貸マンション建設による所得税・住民税

「賃貸マンション経営で認められている必要経費」青色申告することで、所得税と住民税の節税が可能になります。
「賃貸マンション経営で認められている必要経費」と、マンション収入の関係は、以下のとおりです。

「賃貸マンション経営で認められている必要経費」には、下表のような経費が上げられます。

<賃貸マンション経営で認められている必要経費>

○減価償却費
(下記1参照)
○専従者給与
(下記2-B参照)
○固定資産税・都市計画税
(上記その2参照)
○修繕費 ○借入金の金利 ○不動産
会社・管理会社への管理手数料
○損害保険料
(掛捨て当年分)
○広告費
(入居募集用)
○登記費用・登録免許税
(初年度のみ)

1.実際に支出がない減価償却の経費算入

減価償却費とは、建物が収益を生み出す期間(鉄筋コンクリートは47年)を定めて、1年ごとの資産価値の減価分を計算したものです。この減価償却費は、実際に出費しないのに税務上は、支出として認められています。この分が、不動産所得から必要経費として差し引かれるため、所得税・住民税が軽減されます。

前提条件

○取得価額=1億5000万円
○償却率=0.22(鉄筋コンクリート造は、耐用年数47年)

減価償却費の額=所得価額×90%×償却額

(定額法による)=1億5000万円×0.9×0.022

        =297万円

⇒減価償却費は、297万円となり、この分は毎年必要経費として不動産所得(※1)から差し引くことができます。

(※1)税務上の不動産所得が赤字で、ほかに給与所得等がある場合は、損益通算により、さらに所得税・住民税が軽減されます。(下記2-C参照)

2.青色申告者の特典

確定申告には、青色申告と白色申告があり、青色申告(※2)は、帳簿を備え付け申告することにより、白色申告に比べて税金上の3つの特典を受けることができます。
(※2)青色申告する場合は、一定の期日までに申請書を提出する必要があります。

A:青色申告特別控除
青色申告者になると、賃貸マンションの規模に関わらず、一律10万円が、不動産所得から控除されます。(損益計算書添付が必要)または、事業的な規模(10室以上)で、賃貸マンション経営をしている者については、その記帳・決算の仕方(複式簿記+貸借対照表の添付が必要)に応じて、さらに、55万円まで特別控除を受けることができます。結果、合計65万円までの控除が可能になり、不動産所得から差し引くことができます。

B:青色事業専従者給与の必要経費算入
賃貸マンション経営が事業的規模(10室以上)である場合、青色申告者と生計を共にする親族(配偶者・子ども等)が事業に従事しているときは、その家族従業員に給与を支払うことができ、その給与を必要経費に算入することができます。この専従者給与が、不動産所得から差し引かれることで、所得税・住民税が軽減されます。(ただし、配偶者の場合は、配偶者(特別)控除、子どもの場合は、扶養控除が受けられなくなります。)

C:純損失の繰越し控除
減価償却費や専従者給与の額によって、税務上の不動産所得が赤字(純損失)になっても、翌年以降3年間にわたって繰り越して、黒字の所得と通算できるというものです。
不動産所得とは別に、給与所得等がある場合、その所得と損益通算することで、所得税・住民税をさらに軽減することができます。

<青色申告者の特典>

 
青色申告
白色申告
A:青色申告特別控除
事業的規模の不動産
(マンションなら10室以上)

正規の簿記の原則に
従って記帳(複式簿記)
55万円の
控除
適用なし
上記以外
10万円の
控除
B:専従者給与
適正な額であれば、全額必要経費

配偶者
86万円まで

配偶者以外
50万円まで

C:純損失の
  繰り越し控除
翌年以降3年間繰り越し控除が可能
適用なし

その4 賃貸マンション建築の場合の小規模宅地の優遇措置

相続税の「小規模宅地の評価の特例」という優遇措置について

「小規模宅地の評価の特例」というのは、敷地の利用方法(居住用・事業用など)に応じて、一定の面積(200~400平方メートル)を対象に、土地の相続税の評価額が軽減(50%・80%)されるというものです。(※1)
賃貸マンションを建築した場合は、事業用小規模宅地として、200平方メートルまでの部分について、土地の相続税評価額が、50%減額されます。

例えば、更地(2億円・1000平方メートル)に、賃貸マンションを建設

前提条件

○更地価額2億円(路線価)の土地1000平方メートルに賃貸マンションを建設
○借地権割合:70%
○借家割合:30%

A:貸家建付値の評価

  =更地価額×(1-借地権割合×借家権割合)

  =2億円×(1-0.7×0.3)=1億5800万円

 

B:事業用小規模宅地の評価額

  =貸家建付地の評価額×(200平方メートル/敷地面積)×50%

  =1億5800万円×(200/1000)×0.5

  =1580万円

 

よって、土地の評価額は、

1億5800万円-1580万円=1億4220万円

⇒土地の相続税評価額は、1億4220万円となり、5780万円(29%)の評価引き下げとなります。(※2)

 

(※1)この小規模宅地の評価減は、被相続人が保有する全ての宅地について、一定の面積(200~400平方メートル)しか認められていません。所有不動産が1箇所の人も、10箇所の人も、全体で一定の面積(200~400平方メートル)までです。所有財産が2か所以上ある場合は、路線価格の高い土地を優先して、この特例を適用するのが一般的です。

 

(※2)賃貸マンションの建物(一棟)の一部に、自己居住用部分があれば、特定居住用小規模宅地として、マンション全体の敷地のうち、「240平方メートルまで、80%の減額」の対象とすることも可能です。ただし、配偶者以外の別居の親族が相続する場合には、いくつかの条件をクリアする必要があります。